窓ガラスの種類一覧!冷暖房効率や結露対策など目的別のおすすめも紹介
窓ガラスには断熱性に優れた複層ガラスや防犯性の高い合わせガラス、プライバシーを守る型板ガラスなど多種多様な種類があり、それぞれ価格や性能が大きく異なります。どのガラスを選べば自分の住環境に最適なのか判断に迷う方も多いのではないでしょうか。
今回は、窓ガラスの基本的な種類とその特徴、目的別の選び方について詳しく解説します。
目次
窓ガラスの基本的な種類を理解しよう!

窓ガラスにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。主要な窓ガラスの種類とその特徴を以下にまとめました。
ガラスの種類 | メリット | デメリット |
フロートガラス | 価格が安い、透明度が高い、一般的で入手しやすい | 断熱性が低い、強度が劣る、紫外線を通しやすい |
フロストガラス | プライバシー保護、柔らかい光を取り込む、デザイン性が高い | 透明度がない、汚れが目立ちやすい、清掃が困難 |
型板ガラス | プライバシー確保、光は通すが視線は遮る、装飾効果がある | 完全に透明ではない、凹凸部分に汚れが溜まりやすい、種類が限定的 |
網入りガラス | 火災時に破片の飛散を防ぐ、防火性能が高い、法規制対応 | 網が視界を妨げる、熱割れしやすい、錆びが発生する可能性 |
エッチングガラス | 高級感がある、プライバシー保護、傷が目立ちにくい | 価格が高い、透明度がない、特注品が多い |
強化ガラス | 通常ガラスの3~5倍の強度、割れても安全、耐熱性が高い | 価格が高い、加工が困難、自然破損の可能性 |
熱反射ガラス | 日射を反射し室温上昇を抑制、冷房費削減、眩しさを軽減 | 価格が高い、室内が暗くなりがち、近隣への反射問題 |
熱線吸収板ガラス | 紫外線・赤外線をカット、室内の温度上昇を抑制、家具の色褪せ防止 | ガラス自体が熱くなる、熱割れのリスク、透明度がやや劣る |
防犯ガラス | 侵入を困難にする、安心・安全、保険料減額の可能性 | 価格が非常に高い、重量が重い、交換時の費用が高額 |
防音ガラス | 騒音を大幅に軽減、静かな室内環境、集中力向上 | 価格が高い、重量が重い、完全防音ではない |
窓ガラス選びでは、お住まいの環境や優先したい機能を考慮することが重要です。予算と目的に合わせて最適な選択をしましょう。
関連記事: 「窓の種類は多種多様!特徴やメリット・デメリットを押さえて適切な窓を設置しよう」
窓ガラスの「枚数」の種類

窓ガラスは枚数によって性能が大きく異なります。お住まいの窓ガラスがどの種類なのかを確認し、リフォームや新築時の参考にしてください。
種類 | 構造 | 特徴 |
単板ガラス | 1枚 | 最も基本的なガラス。コストは安いが、断熱性・防音性は低い。古い住宅によく使用されている |
合わせガラス | 2枚を特殊フィルムで接着 | 防犯性・安全性に優れる。割れても破片が飛び散りにくく、貫通しにくい構造 |
複層ガラス(ペアガラス) | 2枚以上を空気層で分離 | 断熱性・結露防止効果が高い。エネルギー効率が良く、光熱費削減につながる |
現在主流となっているのは複層ガラスで、新築住宅では標準仕様として採用されることが多くなっています。賃貸物件でも徐々に導入が進んでおり、快適な住環境を実現する重要な要素として注目されています。
窓ガラスの性能を左右する「窓サッシ」の種類
窓ガラスの性能は、サッシの材質によって大きく左右されます。住まいに最適なサッシを選ぶため、主要な4種類の特徴を比較してみましょう。
サッシの種類 | メリット | デメリット |
樹脂サッシ | 断熱性が高く結露しにくい、軽量で施工が容易 | 紫外線で劣化しやすい、色の選択肢が少ない |
アルミサッシ | 耐久性が高い、軽量でメンテナンスが簡単、コストが安い | 断熱性が低く結露しやすい、熱伝導率が高い |
木製サッシ | 断熱性に優れている、デザイン性が高く温かみがある | メンテナンスが大変、虫害や腐食のリスクがある |
複合サッシ | アルミと樹脂の長所を併せ持つ、デザインの自由度が高い | コストが高い、構造が複雑 |
住環境や予算に応じてサッシを選ぶことで、快適な住空間を実現できます。サッシ交換を検討中の方は、次の記事も参考にしてください。
「サッシを交換するタイミングは?費用相場も種類別・効果別に紹介」
【目的別】窓ガラスの種類の選び方

住まいの快適性を大きく左右する窓ガラス選び。冷暖房効率、結露対策、防犯性能、防音性能、プライバシー保護、紫外線対策、採光性など、さまざまな目的に応じて最適な窓ガラスを紹介します。
冷暖房効率を重視する場合
冷暖房効率を向上させたい場合は、断熱性能に優れた複層ガラスやLow-E複層ガラスがおすすめです。
住宅において、冬は約50%の熱が窓から逃げ、夏は約68%の熱が窓から侵入しているといわれ、冷暖房効率を高めるには「断熱性能」が重要なポイントとなります。
複層ガラスは2枚のガラスの間に空気層を設けることで、従来の単板ガラスと比較して優れた断熱効果を発揮します。さらに高い性能を求める場合は、ガラス内側に特殊な金属膜をコーティングしたLow-E複層ガラスを選択することで、夏は涼しく冬は暖かい室内環境を実現できます。
また、薄型断熱ガラス(真空ガラス)も選択肢のひとつで、既存のアルミサッシにも取り付けやすく、優れた断熱性能を提供します。
結露対策を重視する場合
結露対策には断熱性能の高い複層ガラスやLow-E複層ガラスが効果的です。
結露は室内外の温度差と湿度により発生し、放置するとカビやダニの発生原因となり健康被害を招く可能性があります。断熱性能の高い窓ガラスは、室内側のガラス表面温度が下がりにくく、結露の発生を抑制できます。
複層ガラスは空気層による断熱効果で、従来の単板ガラスと比較して大幅に結露を軽減します。
より高い効果を求める場合は、特殊な金属膜を持つLow-E複層ガラスや、真空層を利用した薄型断熱ガラスを選択することで、根本的な結露対策を実現できます。
一時的な対処法であるテープやシートとは異なり、長期的で効果的な解決策となります。
関連記事:「窓の結露対策7選!結露ができる原因や放置するリスクも踏まえて解説」
防犯性能を重視する場合
防犯対策には破壊されにくい防犯ガラスや合わせガラスの選択が重要です。
侵入窃盗の手口で最も多いのがガラス破りであり、窓からの侵入を防ぐことが効果的な防犯対策となります。防犯ガラスは2枚のガラス間に強靭な樹脂中間膜を挟んだ構造で、バットで打撃しても貫通しないほどの耐性を持っています。
合わせガラスも同様の構造で高い防犯性能を発揮し、割れても破片の飛散を防ぎ安全性も確保します。
防犯性能の高い商品を選ぶ際は、「CPマーク」の確認が重要です。このマークが付いた製品は破壊に5分以上要し、統計的に7割の窃盗犯が諦める時間とされています。
関連記事:「窓の防犯対策7選!狙われやすい窓の特徴と費用相場も解説」
防音性能を重視する場合
防音対策には合わせガラスや異厚複層ガラスが優れた効果を発揮します。
音の多くは窓から出入りするため、外部騒音や室内からの音漏れが気になる場合は窓の防音対策が最も効果的です。
合わせガラスは2枚のガラス間に防音用特殊フィルムを挟んだ構造で、音の透過を大幅に軽減します。
より高い防音効果を求める場合は、異厚複層ガラスがおすすめです。異厚複層ガラスは、同じ厚さのガラスで起こりがちな共振現象を防ぎ、より広い周波数帯域で安定した防音効果を得られます。
リビングや寝室など、静かな環境を重視したい部屋への採用が特に効果的です。
関連記事:「窓の防音対策とは?自分でできる応急処置から本格的なリフォーム方法までを紹介」
プライバシー保護を重視する場合
プライバシー保護には視線を遮る効果のある型板ガラスやすりガラス、フロストガラスが適しています。
通行量の多い道路に面している住宅や大きな窓がある部屋では、外部からの視線が気になり落ち着いて過ごせない場合があります。
型板ガラスは表面に凹凸模様を付けた不透明ガラスで、やわらかな光を取り入れながら視線を効果的に遮ります。
すりガラスは砂を吹き付けて表面を加工した不透明ガラスで、光の拡散性に優れプライバシーを確保できます。
フロストガラスはすりガラスの表面を薬品処理でなめらかにしたもので、汚れがつきにくく清掃しやすい特徴があります。
より高度なプライバシー保護が必要な場合は、ブラインド入り複層ガラスという選択肢もあります。
紫外線対策を重視する場合
紫外線対策にはUVカット効果のあるLow-E複層ガラスや合わせガラスが効果的です。
紫外線は窓を通して屋内にも侵入し、家具や床材の色褪せ、肌への悪影響を与える可能性があります。
Low-E複層ガラス(遮熱タイプ)は通常のガラスと比較して約76%の紫外線をカットし、採光しながら紫外線の透過を防ぎます。
さらに高い効果を求める場合は、安全合わせ複層ガラス(防音タイプ)が99%以上の紫外線をカットし、室内での紫外線対策に優れた効果を発揮します。
これらのガラスは特殊な中間膜や金属膜により紫外線を吸収・反射し、室内にいながらも安心して過ごせる環境を提供します。家具の保護や肌の健康を重視する方に特におすすめです。
採光性を重視する場合
自然光を最大限活用したい場合は、透明度の高いフロートガラスが最適です。
明るい室内環境を重視し、自然光を効率良く取り入れたい場合は、一般的な透明ガラスであるフロートガラスが最も適しています。
フロートガラスは表面が滑らかで歪みが少なく、光の透過性に優れたスタンダードな窓ガラスです。凹凸や着色がないため、太陽光を効率良く室内に取り込むことができ、自然光を生かした明るい空間づくりに最適です。
ただし、現在の新築住宅では断熱性を重視して複層ガラスが主流となっているため、採光性と断熱性の両方を求める場合は、透明なガラスを使用した複層ガラスを選択することで、明るさと省エネ性能を両立できます。
まとめ
窓ガラスは種類や構造、サッシ材質によって断熱・防音・防犯・採光などの性能が大きく異なり、目的に応じた選択が快適な住環境づくりの鍵となります。
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