内窓(二重窓)で防音工事!どれくらい効果はあるの?ガラスの種類や特徴を解説
2025年05月15日(木)
今までも内窓について様々な観点からご紹介してきましたが、今回は防音を目的として内窓を設置される方向けにガラスの種類や効果、費用や特徴をご紹介していきます。
目次
内窓(二重窓)は防音にも効果アリ!?
内窓は主に断熱や気密の向上を目的に設置される方が多いですが、実は防音にも高い効果があります。
現在給付されている補助金もあくまで家の断熱に対するものですし、実際暑い・寒いから設置したいというお客様や、結露がひどく何とかしたいという方が多いですが、中には防音を主な目的として取り付ける方も多数いらっしゃいます。
実際私たちも施工している中で取付が完了して窓を閉じた瞬間に静かになったとハッキリ分かるほどその効果は顕著です。
では何故内窓が防音にも高い効果を発揮するのでしょうか?
窓は熱だけじゃなく音や振動も簡単に通してしまうからです。
家の壁は厚みがおよそ15cm程度はありますし、外壁材・木材・断熱材・石膏ボードと様々な材質で構成されています。
物体には「低い音は通しやすいけど高い音は通しにくい」ものやその逆など様々な性質のものがあるので多様な材質で構成され、その分厚みもあると振動を大きく減衰することができます。
一方で窓は古いお家ですと厚さ3~5mm程度のガラスが1枚あるだけです
更に気密も弱く隙間なんかもあるかもしれません。
比較的新しいお宅ですとガラスはLow-E複層ガラスと言って
ガラス+空気層+ガラス
の構成で1枚のガラスになっており、そこに金属皮膜でコーティングして断熱性能を上げたものが使用されているかもしれません。
後ほど詳しく説明しますがこちらもガラスその物の厚みは2枚合わせてせいぜい6mm程度です。
このガラスは断熱性能では昔の単板ガラスよりはるかに優れていますが、実は防音の性能に焦点を当てると単板ガラスの方が勝っている場合もあります。
通常複層ガラスでは
3mmのガラス+空気層+3mmのガラス の構成なのですが、これだと1枚のガラスが薄く防音の力が弱い上に、ガラスの厚みが同じなので共振して音が中まで伝わってしまうからです。
それに対して1枚のガラスしか入っていないけど厚みが5mmだった場合、防音だけに焦点を当てるとガラスが厚い分こちらの方が性能が良いということになります。
ガラスの防音の力は基本的には厚みに比例すると思っていただいても大丈夫です。
このように書くと一般的な複層ガラスで内窓を設置してもあまり効果が無いように感じてしまわれるかもしれませんが全くそのようなことはありません!!
断熱目的で設置したとしても驚くほど静かになります!!
外窓と内窓の間に生まれる空気の層や内窓自体によって音を弱めるとともに、
気密が格段に上昇しますので隙間から入ってくる音が無くなる為です。
なので防音用の内窓設置工事は
そもそもかなり防音効果が高い内窓に、防音用のガラスを使用することでさらに高い防音効果を付与する
というイメージです!
内窓で使用できる防音ガラスの種類
ここからは防音を目的としたときにおすすめするガラスをご紹介していきます。
①複層ガラスの異厚構成
こちらは通常3mmのガラスを2枚使うところを片方の厚みを変えて
3mm+空気層+5mm など異なる厚みのガラスで構成された複層ガラスを使用する方法です。
この方法の最大のメリットは防音と断熱のどちらにもかなりの性能を発揮できる点です。
Low-Eコーティングも施せるため補助金の対象にもなります。
標準のガラスでは同じ厚みのため共振していましたが、こちらの構成なら共振は起こりませんので防音効果が高いです。
真空ガラスや防音ガラスと比べると安価かつ補助金の対象にもなるので価格を最も抑えた防音用の構成と言えます。
②真空ガラス
真空ガラスとは2枚のガラスを貼り合わせるという点では複層ガラスと似ていますが空気層を無くし真空にしています。
音や熱を伝えるのは空気ですから、それが無い真空ガラスは極めて高い断熱性と防音性を備えています。
Low-Eコーティングも施すことができますので日差しのカットもばっちりで性能面ではほぼ弱点はありません。
断熱性能、防音性能ともに①の異厚構成複層ガラスを大きく上回っている超高性能ガラスです。
さらに約6.2mmという薄さです。
従来の複層ガラスは厚さ約18mm、それより高性能なトリプルガラスは41mmにもなります。
薄くて軽いというのも大きなメリットの一つです。
この真空ガラスも補助金の対象ではありますが、そもそもの商品代がお高めですので費用は少しかかります。
また、真空ガラスはガラスの見た目も少し特殊で、真空層を保持するためのピラーという小さい黒い点々が等間隔でガラス一面に入っているのと、ガラスの端に保護キャップがついています。
③防音ガラス
最後にご紹介するのが防音ガラスです。
防音ガラスは合わせガラスという構造で、2枚のガラスの間に特殊なフィルムを挟んで貼り合わせ1枚のガラスにしたものです。
こちらは貼り合わせるガラスの厚みによってバリエーションが様々ですが、当社で取り扱いのある通常の内窓(YKKAPのプラマードUおよびLIXILのインプラス)ですと6mmという厚さまでしか対応できません。
しかし大信工業のプラストという商品はの12mm防音合わせガラスが使用可能です。
これが内窓で可能な防音工事の最大値です。
ただしこのガラスはあくまで防音に特化していますので補助金の対象外になります。
さらにプラストサッシもYKKAPのプラマードUやLIXILのインプラスに比べると高価になりますので
費用はかなりかかります。
しかしそれに見合った性能であることは間違いありません。
内窓での防音工事の注意点
ここまで内窓の防音工事についてご紹介しましたが、これはあくまで窓周りの防音にしかならない という事に注意が必要です。
12mmの防音ガラスを入れたプラストサッシを取り付けたとしても、そもそもお家の壁がすごく薄かったり、エアコンや換気扇の穴などが開いていれば当然そこからも音は侵入してきます。
とは言っても音の出入り口となる1番の原因はおそらく窓です。
内窓の設置で間違いなくある程度の防音効果は見込めます。
しかし完全ではないことにはご注意ください。
まとめ
防音目的の内窓設置で後悔しないためにはガラスや内窓の種類を把握し適切なものを選択するのが大切です。
100%の防音にはならない可能性があることは十分にご注意ください。
この記事で概要は分かりやすくお伝えしたつもりですが、更に気になる方は記事内に出てきた商品名などを検索していただけばカタログなどもwebで閲覧できますし、当社のHP内の施工事例やコラムでも解説している記事もあるので合わせてご覧ください。
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